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真夏の砂が焼けている当たりには必ずと言って良いほど、ひまわりが咲き誇っている。その花の見つめる方向にはきっと太陽がギラギラと輝いているんだ。眩しくて目を遠ざけてしまいたいぐらいに暑く熱くオレの身体に照りつけている。寂しい事も悲しい事も燃えつくす程の威力をその星は持っているからオレはまた生きて見ようと思ってしまうのかも知れない。太陽の周りのコロナに裸の総てを焦げ付かされるまで焼き尽くしても、それでオレは満足をしていられるんだ。浜辺に打ち返す波音に耳を澄ませながら聞き惚れていると、何とも言えない気分になって来る。遥か彼方には、島々が点在をしていて、誰彼となしにその島の名前を合い言葉にしながら性の暴発にも身を任せていられるのかも知れないと思われる程、身体の隅々までが敏感になっている。誰かに触られたら、素敵な世界にのめり込んで行くのかもしれないね。現実に夢も希望も折り曲げられた男達が覗いて入り込む所って、そういう感覚で満たされているのかなあ。2人ずれが仲良く波打ち際を歩いているとオレらしくもない妄想の扉を叩いてしまうのも、真夏のせいなんだぜ。事に岩場やら、海の側の林の中へ連れ立って歩いて行く人影を見るとき、唾をゴクンと呑み込んでその成り行きに一生懸命に五官を働かせてしまう当たりもいけない男なんだなあ。・・・って、反省をしているけど波風に乗って甘い吐息が聞こえ始めるとまた、自分までも同じように胸を熱くしてしまうのは、やるせない性なんだと思ってもいる。波乗りを楽しんでいる男達が器用に乗りこなしている姿が金色の固まりに見えている間は正気を保っているけど、それを通り過ぎて笑い合いながら裸で胸板を見せつけあっているのを凝視していると、何処からか性器に異変を感じとって、また頭が悩ましくもやもやし始めるのは、不思議な事だ。自分の夢想の儘に自由に連想しながら高い高い所を運行している太陽に釘付けになってもいる。自分が自分の閉ざした枠を離れて走り出すとき、言うに言い様のない歓喜が身体中を駆け抜けるみたいだぜ。ジープで乗り付けたヤツが、コーラの缶を放り投げるのを見ながら、ひまわりの側から昼を謳歌したい気分がだんだん募って来ている。ノースリーブの裸の腕がオレを呼び寄せているような気がして来る。・・・<オレ、今、暇なんだ。一緒にドライブしないか!この海の向こうのまだキュンと来る入り江がある。其処まで行くんだけど、一人じゃあ面白くもないし、退屈だしさあ、誰かオレと一緒に行ってくれるヤツはいないモノかと、探していたんだ。ちょうどいいときに、会ったものだなあ。こんなに暑くろしい所より、室のある崖っぷちで潮風を楽しまないか!オマエも暇そうに見えたからそれで誘って見たんだ。おい、乗れよ。オレの隣に座るといいぜ!>・・・<随分と大胆なんだなあ。見知らぬ男に平気で声をかけても大丈夫だと思っているのかよう。何が起こるか分からないぜ。こんなにきちがいじみて暑いんだぜ。ボンネットまで燃えているみたいに、熱い息を吐きかけているのにさあ。真夏なのに、オレはそう確かに誰ともペアになれないんだ。やっと空いた時間を見つけてこの浜辺まで辿り付いてはみたけど、オレを除外して何でもが進行しているみたいでつまらなく思っていたんだ。囁きかけるような風一つも巻き起こらない海ってどうにも耐え難いよ。>・・・<だから、オレと誰にも知られない世界へ入り込んで行くんだよ。オマエがどう思おうと、オレはもうオマエを連れ去ろうと決めているんだ。何処までも突っ走って行けば、ある拍子に心が打ち解けるかもしれないなんて甘い気持ちも持ち合わせていて何処が悪いんだ。こんなにキラキラと眩しい先の先まで、自分を開いて飛ばしてみないか!夢を追えばきりなく続いているぜ。オマエがオレを気に入らない所があろうとも、それは二の次にして行ける所まで、一緒に行こうよ、な!>・・・カレは半ズボンの中から太い足を揺すって見せた。こんなにいろんな男達がレジャーを楽しんでいる所を通り抜けて、オレの持つエロスの匂いに触れて見るんだと思うと感じちゃう思いがして、ことわりもせず、ジープに乗り込んで爆音を上げながらもっと先の入り江とときめきながら飛んで行ったんだ。ジープが辛うじて起こす風に髪がくすぐられるような思いがして来ていた。男同士でゆったりと過ごすのもまた、胸がスーッとする感じがまた頭をも過ぎって通り抜けた。海は何処までも果てしなく続いているみたいで、真夏は性のハネムーンに出るカップルが多いから、誰も彼もがその事で、頭をいっぱいにしながら脳で性を楽しんでいるみたいにも見えて来る。入り江には大きな空洞が崖っぷちに出来ていて、其処の中は、ヒンヤリと膚に気持ち良い風が吹き付けてもいるみたいだ。2人で、その薄暗がりに入って行くのはどうしてだろうか?オレは本当に正気なんだろうか?一時、ひまわりの色を忘れて疼きの狂おしさに押し入っても誰も文句を言わないだろうか?フッとそういういたたまれなさが空に浮かんだけど、薄暗がりの中には自分を安定させるエネルギーが満ちあふれてもいるみたいなんだぜ。所詮、オレは太陽を何時も恋しがるひまわり男にしか過ぎないけど、それでも自分の欲望の儘に時間を過ごしてもそれでまた、自分らしいとも思えて来ている。そういうオレをジッと見つめるカレもまた、都会の人集りの中で費やした頭を癒したいのかも知れない。自分の奥底から湧き出て来る感情がこれ程に強く激しいモノだとはオレも思わなかったぜ。ひまわりが、いつも何時も太陽の燃え盛る姿に惚れ抜いて熱い視線で回るみたいに、オレもその残照をカレの中に見つめながら過ごして行きたい気分に駆られてもいたんだ。薄暗がりの中で見る、裸はまた、露に太陽に照らされる中で見るのとは違って意味深にセクシーだ。カレが呼ぶ儘に、ドンドン、その空洞の空気に馴染みながら次に何が起こるだろうかと期待しながら、待ちこがれている。それは、オレかカレの次の一言で決まるんだぜ。それは許される事ではないのかも知れない。人には大っぴらに言える事ではないのかも知れない。足許まで鼓動でドキドキして来ている。本当にもうとろけるような波が打ち寄せて来やしないだろうか?明日がどうであろうとそれはそれで、どうにでもなることじゃあないか。エコーが聞いているような空気をカレの吐く息が震わせている。気持ちがひとつになって行くみたいな危ない所をやっとの所で、堪えているんだ。それが空洞の風とひとうならもう、秘密の部屋に踏み行ったんだ。外ではきっと太陽が容赦もなく総てを焦がしている事だろう。ひまわりはそれを憧れの目で見つめているのだろう。でも、オレはもうひとつ近寄って見たかったんだ。めくるめく世界に身体を預けて見たかったんだ。風が、身体の何処もかも撫でるとき、オレは自分で自分の殻を脱皮する事だろう。自分らしい自分に涙を浮かべる事だろう。それで良いじゃあないかよう。ひまわりがずっと太陽を恋するみたいに愛して何処がいけないんだろうか?何時も何時も、一人で外から見ているだけのオレが望みに叶って喜びに浸って何がいけないんだろうか?本当に、本当に、そんなムードが漂い始めていたんだ。何かが次に起こる予感が鐘を鳴らそうしていたんだ。
カレが振り向きながらドンドン、奥まで入り込んで行く。オレも付いて行く。何が起ころうと構わないじゃあないか?それは太陽の仕業なんだ。真夏を支配しているリズムなんだ。ごく自然な事なんだ。もう誰とも関係のない絆が結ばれたんだ。
えいぞう
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